社会福祉協議会の役目
平成12年5月、利用者の立場に立った社会福祉制度の構築、福祉サービスの質の向上、社会福祉事業の充実・活性化、地域福祉の推進などを目的とした社会福祉法が成立しました。社会福祉法の中(第107条)で社会福祉協議会(以下、「社協という」)は、地域福祉の推進を図ることを目的とした組織として明確に位置づけられるとともに、新たにサービス利用者を支援する権利擁護や苦情解決などの役割が規定されました。このような改正は、今後の社協の組織と事業のあり方について大きな影響を与えています。
社協は、自主性や非営利性を基礎とした民間組織ですが、必ずしも純粋な民間組織とは言い切れない性格を持っています。それは、社協が社会福祉法などの制度に位置づけられ、地域社会の中で公と協力しつつ民間の特性を生かしながら活動を展開するという特徴を持っているからです。また、社協はその存続に必要な人、施設、財源、情報、などの資源の多くを行政に依存していることから、色々と行政の規制を受けていることも事実です。
社協の組織は、市区町村社協を基盤とし、都道府県・指定都市社協、全社協という縦のネットワークと、住民組織、社会福祉事業関係団体、その他地域福祉に必要な様々な団体が構成メンバーになっているという横のネットワークを持つ、社会福祉分野における最大の民間組織です。
時代の流れとともに社協の目標も果たすべき役割も変化してきています。設立当初は連絡・調整が主体だったものが、近年は福祉ニーズの多様化により在宅福祉サービスに積極的に取り組むなど事業型社協として変貌してきています。しかし、社会福祉基礎構造改革の中で福祉サービスが措置から契約に移行し、多様なサービス供給主体が参入してくる中で、社協の役割の見直しが求められています。福祉サービスへの民間参入の弊害となってはいけないし、事業体社協として果たすべき役割もあることから、非常に難しい立場にあるといえます。
ただ社会福祉法において「地域福祉の推進を目的とした団体」であると明確に位置づけられている以上、地域住民や福祉関係者等に支えられた公共性の高い民間非営利組織として、地域福祉推進の中核的役割を担うことが期待されていることは、はっきりと言い切れます。
富山市社会福祉協議会は昭和26年6月5日に町内会連合会、民生委員連合会、婦人会、遺族会などが中心になり、富山市の協力のもと発足しました。
昭和42年3月には、念願であった社会福祉法人の認可を受け、それぞれの時代の福祉ニーズに対応しながら地域福祉活動や在宅福祉事業などを推進してきました。
活動基盤は、福祉ニーズが年々、多様化する社会背景から、昭和57年に現在の今泉に「富山市総合社会福祉センター」として移転新築しました。
その後、平成17年の市町村合併に伴い、旧富山市、大沢野町、大山町、八尾町、婦中町、山田村、細入村の7市町村社会福祉協議会も合併し、現在は市総合社会福祉センターを本所とし、旧町社協を支所として事業の推進を行っています。